PLCラダー命令解説 三菱PLC FMOV(P)

三菱PLC QシリーズでのFMOV(P)命令ついてまとめてみました。

きしゃネコ
きしゃネコ

ども、きしゃネコです。

注意

詳細の命令内容は、バージョンにより異なる場合があるので実際にPLCに組み込む場合は
メーカーマニュアルを確認するようにお願いします。

FMOV(P)命令とは

FMOV(P)は、同一ブロックデータ転送命令になります。
データ転送のMOV(P)と何が違うのかといえば

  • MOV(P)は、1対1のデータ転送命令
  • FMOV(P)は、1対nのデータ転送命令

になります。

アイキャッチ画像_PLCラダー命令解説_三菱PLC_MOV(P) PLCラダー命令解説 三菱PLC MOV(P)

データ転送のイメージとしては、こんな感じになります。

上記の例の場合、D100の値「1234」をD200~D204の5つのデバイスに
すべてに転送します。
例ではD100ですが、「K0」のような定数を指定する事も可能です。
(K0の場合は、D200~D204の値をすべて「0」にします。

FMOV(P)の使用例

使用方法は、データ転送命令のMOV(P)とほとんど同じです。
違うのは、転送する数の指定が増えただけです。

ラダー
|--| |-----[ FMOV(P) <転送元> <転送先> <転送数>-|
   条件

転送数には、定数(K5など)と
デバイスを指定して変動させることもできます。

条件がないとエラーになる

MOV(P)やFMOV(P)の転送命令は、条件信号がないとエラーとなり変換できません。
常時転送命令を実行したい場合は、特殊リレーのSM400(常時ON信号)を
利用するなどして条件を成立させることで使用できます。

D100の内容をD200~D204へ転送

転送元を定数にした場合の例はこんな感じで
D100の代わりに定数(例の場合はK0)にするだけです。

定数K0をD200~D204へ転送

同じデータを指定数分転送する命令なので
MOV(P)命令で同じ処理を作成すると下記のようになります。

FMOV(P)をと同じ処理をMOV(P)で作成した例

MOV(P)で同じ処理を作成できるけど、
転送数が増えるほど行数も増えていくので手間がかかります。

FMOV(P)はどんな時に使うのか

FMOV(P)は同じデータを連続した複数デバイスに転送する命令になりますが
よく使うのは、パラメータ等の初期化に使用する事が多いです。
FMOV(P)一命令で、多くのデバイスを初期化できるので便利です。

きしゃネコ
きしゃネコ

設備の運転開始時の初期化なんかでよく使用するよ

デバイスの初期値は0とは限らない

PLCのデバイスの初期値が「0」ゼロになっているとは限りません。

特に、プログラムをPLCで最初に動作させるときにはデバイスの中身は
デタラメな値が入っています。
なので、プログラムの動作開始時(イニシャル)で初期化する事が重要になります。
初期化していない事で、制御がうまくいかずトラブルの原因になることがあります。

これは、PLCに限らず他のプログラム言語でも同様です。

ただ、転送先のデバイスが連続していない場合は、FMOV(P)を使用できないので
設計段階で連続したデバイスになるようにするか、部分的にMOV(P)とFMOV(P)を
使い分けて使用するなど工夫が必要になります。

きしゃネコ
きしゃネコ

設計段階で使用デバイスをきれいに割付できるかは、センスを問われます
きしゃネコは最初からきれいに割付できないので
途中で並び替えすることも・・・

まとめ

同一ブロックデータ転送FMOV(P)を使えば
連続した複数のデバイスの値を同じデータにできます。

初期化処理なんかで利用すれば効率よくプログラムできると思います。

きしゃネコ
きしゃネコ

上手く利用して効率よくプラグラムしたいね

では、また~

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