PLC制御でよく使う警報回路についてまとめてみました。
きしゃネコ
ども、きしゃネコです
- PLCラダープログラムの警報回路とはどんなものか
- PLCラダープログラムの警報回路の作り方
もくじ
警報回路とは
言葉の通りですが、異常な信号をとらえたときにブザーやランプなどでお知らせする制御回路になります。
重要な警報の場合は、強制的に設備を止めたりすることもあります。
警報回路を作る5つの信号
警報回路を作るには5つの信号が必要になります。
- 警報要因の信号 警報の原因となる信号のことで、非常停止ボタンとか異常信号とかになります。
- 警報発生確認信号 警報が発生したことを記憶する信号のことです。
- 警報確認信号 警報が発生していることを確認する信号で、警報確認ボタンや警報ブザー停止ボタンなどになります。
- 警報確認済信号 警報確認がされたことを記憶する信号のことです。
- 警報解除信号 警報を解除する信号のことで、警報リセットボタンなどになります。
警報回路の動作イメージ
警報回路の動作は以下のような動きを目標にプログラムを作成していきます。
警報ブザーが鳴る 異常ランプを点滅
警報ブザーの停止 異常ランプを点灯
異常ランプを消灯
*ただし、異常要因が消えていない場合は警報解除されない
警報要因が消えていない状態で、ほんの少しでも警報解除がされてしまうと危険な状態を発生させる可能性があります。
そのため、異常要因が消えていない場合には警報解除させない制御にしておく必要があります。
警報回路の作り方
警報要因の自己保持と、警報確認の自己保持プログラムの作成
警報要因を自己保持することで、一瞬だけ警報要因が発生した場合でも警報を捉えることができます。
また、各警報要因ごとに警報確認の自己保持を作成しておくことで、警報の確認状況を把握することができます。
PLCラダーの例では、警報要因が2つある場合で作成してます。
ただし、使用用途によっては警報リセットで警報確認と警報解除を同時に行いたい場合があります。
その場合は、警報確認信号の条件に警報解除信号を含めておくことで、警報確認と警報解除を同時に行うことができます。
PLCラダーでの自己保持回路についてはこちらを参考にしてみてください。
各々の警報状態をまとめるプログラムの作成
警報状態をまとめることで、共通の警報ブザーを鳴らしたり、警報ランプを点滅、点灯させたりすることができます。
「警報発生中」「警報確認未確認」の条件部分にある「–/–」はインバース命令になります。
インバース命令とは、信号のONとOFFを反転する制御です。
インバース命令を使用しなくても同様の回路を作成することは可能ですが行数が多くなり警報の数が多い場合に全体の把握がしづらくなります。
そのためプログラム全体を把握しやすくするためインバース命令を使用しています。
例の中にある「SM412」は三菱 PLC Qシリーズでの特殊コイルで0.5秒毎にONとOFFを繰り返す信号になります。
警報確認と警報リセット条件の回路の作成
警報確認する信号と、警報リセットする信号の回路を作成します。
- 警報確認や警報リセットの条件が複数ある場合にまとめやすい
- 後々、変更や追加があった場合に、一箇所修正するだけで警報回路全体を修正できる。
例にあるPLCラダープログラムは、警報確認ボタンと警報リセットボタンを条件とする場合で作成しています。
例では警報リセットの場合、警報確認を同時に行うようなプログラムとなっています。
もし、警報確認した後にしか、警報リセットボタンが有効とならないようにしたい場合は赤枠部分を削除することで対応できるようになります。
以上で、警報回路は完成です。
警報回路全体はこのようになります。
まとめ
いかがでしたか。
FA制御する機器であれば、ほとんどといってよいほど作成する必要がでてくる制御プログラムになります。
警報回路は、できれば全体の警報回路をまとめて作成しておくと設備の異常のときに素早く異常原因を特定することができる可能性があるのでオススメです。
以上、おわり!
きしゃネコ