PLC制御でよく使うステップシーケンスについてまとめてみました。
きしゃネコ
ども、きしゃネコです
- ステップシーケンスがどんなものか ステップシーケンスの作り方がわかるよ
もくじ
ステップシーケンスとは
なまえの通りですが、一歩一歩進んでいくような制御のことです。
主には、制御の枠となるステップ(工程)を条件が成立することで進めていく制御になります
言葉だと解らずらいですが、4コマまんがをイメージすると解りやすいです。
4コマまんがの1コマがステップで、4コマまんがのコマを管理するのがステップシーケンスになります。
4コマまんがはコマ数が4つですがステップシーケンスの場合は4つ以上のステップを作成できます。
さらに、4コマまんがでは決まった順序でコマが進んでいくけど、ステップシーケンスの場合は条件によって、自由にコマを切替えていくイメージになります。
ステップシーケンスの作り方
実際にステップシーケンスの基本的な作り方を紹介します。
ステップシーケンスはPLCメーカによっては、機能としてステップコイルなど用意されている場合があります。
ただ、制御の内容を把握したり、例外的な制御をしたい場合に融通が効かなくなる場合があるので、標準的な命令で作成することをオススメします。
ここでは、三菱電機PLC Qシリーズのラダープログラムで説明します。
詳細の命令内容は、バージョンにより異なる場合があるのでメーカーマニュアルを確認するようにお願いします。
ステップシーケンスには、以下の2つのデバイスを用意する必要があります。
- ステップコイル(ビット)
該当のステップ中にONとなるデバイス - ステップ管理(ワード)
どのステップを選択するか管理するでデバイス
まずは、上段部にステップ管理の値から、該当するステップコイルをON/OFFするプログラムを作成します。
つぎに、下段部に各ステップに切り替える条件のプログラムを作成します。
条件が成立したら、MOVP命令(MOV命令)をつかって、ステップ管理デバイスにステップ番号を代入することでステップを切替えます。
必ず、各ステップに切り替える条件プログラムは、ステップ管理の値を該当するステップコイルをON/OFFさせるプログラムの後に作成する必要があります。
反対に作成した場合、正しくステップの切替わりができなくなります。
MOV命令については、こちら
PLCラダー命令解説 三菱PLC MOV(P)
ラダープログラム全体はこのようになります。
なぜMOVP命令をつかうのか
MOVP命令とは、条件が成立した時に、一度だけ代入処理がされる命令になります。
条件成立した時のみにステップを切り替えることで、強制的にステップを切替えたい場合にステップの切替えができるようになります。
ただし、危険回避のためのステップについては、常時代入するMOV命令を使用し強制的に他のステップへ切替えできないようにしておくと良いです。
優先度が高いステップは、下側に作成します。
理由は、シーケンスプログラムは上から下に向かって処理が進み、後で処理されたものを優先となります。
なので、もし複数条件が成立した場合は下側に作成しているステップが選択されるためです。
優先度が高いステップとは、待機中のステップや異常時の処理ステップなどになります。
まとめ
ステップシーケンスは、シーケンシャル制御(時系列的に変化していく制御)によく使われます。
ざっくりとしたイメージは、4コマまんがのコマを管理する制御方法がステップシーケンスになります。
ステップシーケンスを使用することで、ミスを少なくプログラミングでき、後々の改造やメンテナンスのときに解りやすくなります。
最初は、なれないので作成に時間がかかりますが、後々のテストや改造のときのことを考えると結果的に時間短縮につながります。
ただし、ステップ切替に1スキャンの時間がかかってしまうので、高速で制御する設備の場合は注意が必要です。
ですが、最近のPLCは高速処理できるので特殊な設備で無い限りは気にする必要は無いかと思います。
- 全体の制御の流れを把握しやすい
- 部分的な改造やテスト、確認がしやすい
- 他の制御に影響がでにくい
- ステップ管理用のデバイスが必要となる
- なれるまで、作成に時間がかかる
- ステップの切替に1スキャンを要するので、制御時間がかかる
以上、おわり!
きしゃネコ