QNAPファイル共有できなくなった

アイキャッチ画像_QNAPファイル共有できなくなった

なんとなーく、更新の通知がきたので「まぁ、更新しとくか」といった軽い感じで更新したら、共有できなくなりました。orz

新しいもの好きが、裏目にでた感じです。

今後のためにも、復旧するまでの内容を記事にしてみたよ。

きしゃネコ

ども、きしゃネコです。

不具合の内容

まずは、使っているNASですが、QNAP製のTS-473です。

ファームウェアを2020年10月10日時点での最新バージョン:4.4.3.1439 build 20200925に更新したら、ファイル共有ができなくなりました。

ネットワーク上ではNASはみえているし、pingの応答もあるけどアクセスしようとするとつながらないといった症状です。

管理コンソールの接続やSSHでの接続も問題なし。

通知履歴みてもとくにエラーとかでてるわけでもなかったんですよね~。

復旧までにやったこと

再起動

基本中の基本である再起動を試す。

結果は復旧しませんでした。

シャットダウンして、電源抜いてその後に再起動しても、状況変化なし。

バックアップ

データの消失が怖いので、幸いにも管理コンソールが使える状態の間にバックアップをとることにしました。

USBのHDDをつなげて、「App Center」にある「HBS 3 HybridBackup Sync」の同期で一方方向同期ジョブを作成してデータを移しました。

時間的には、約1TBのデータを同期するのに6時間程かかりました。

バックアップでなく、同期にした理由は、万が一QNAPのハードの故障の場合に、他メーカーのNASに置き換えることを想定すると、バックアップだと復元できない可能性があるからです。

あとは、リアルタイムで同期にしていれば、最新の状態でデータをのこせるので良いかなと

今回は、USB接続のHDDですが、別のNASやクラウドストレージなんかでも良いと思います。

ファームウェアのダウングレード

まぁ、きっかけがファームウェアのアップグレードだったので「戻せば、なおるのかな」なんて思いで一つ前のバージョン:4.4.3.1421 build 20200907にもどしてみる。

結果は、これでも復旧できませんでした。

ちなみに、ダウングレードのやり方は、QNAPのダウンロードセンターから、

  1. 製品タイプをNAS/拡張機器
  2. ベイを4ベイ
  3. モデルをTS-473

を選んで、更新したいバージョンのファームウェアデータをダウンロードする。

QNAP ダウンロードセンター説明画像

次に、管理コンソールで

「コントロールパネル」から「ファームウェア更新」で、上にあるタブをファームウェア更新を選択し参照ボタンを押して、ダウンロードしたファームウェアデータを選択する。

QNAPファームウェア更新1
QNAPファームウェア更新2

「システムの更新」のボタンをおすと更新が開始されます。

QNAP SMB設定3

更新後は再起動するので注意してください。

参考:QNAP QTS 4.4.xユーザーズマニュアル(ファームウェアの手動アップデート)

SMBのバージョンの変更

ネットで同じような「ファイル共有できない」不具合にあった情報をいろいろ確認すると、SMBのバージョンが関係するものがあるらしい。

ただ、これは、Windows側のアップデートによってNASが見れなくなるといった不具合なので、今回の症状とはちがうけど試してみることにしてみた。

結果は、やっぱり復旧されませんでした。

SMBのバージョン変更は、管理コンソールで

「コントロールパネル」から「Win/Mac/NFS」を選択。

SMBバージョン変更画面1

「Microsoftネットワーク」タブの中にある「詳細オプション」を選択すると、そのなかに「最上位SMBバージョン」と「最下位SMBバージョン」の項目があるので、最上位をSMB 3とか、SMB 2.1にしてみた。

SMBバージョン変更画面2
SMBバージョン変更画面3

ちなみに、最下位バージョンは、SMB 1のままとしました。

参考:QNAP QTS 4.4.xユーザーズマニュアル(Microsoftネットワークの設定)

Sambaのサービス起動状態の確認

今度は、ファイル共有をするサービスである「Samba」が動いているのか気になったので確認してみることにしました。

確認はSSHで接続して確認したところ

smbd (samba daemon) Version 4.7.12
smbd (samba daemon) is not running.

起動状態が「is not running」 ということで
Sambaが起動していない状態でした。

ただ、何度か確認するとたまーに
「smbd (samba daemon) is running」
となっているときがあって不安定な状態になってい様子でした。

まぁ、状態の確認をしただけなので、不具合の解決にはならないけども、とりあえずsambaが停止していることで、ファイル共有できない状態であることは確認できました。

確認方法はWindowsの場合、コマンドプロンプトから

SSH [QNAPのユーザー名]@[QNAPのIPアドレス]

と入力したら最初はSSHのキーを作成するか聞いてくすので、「yes」と入力する。

次に、パスワードの確認をされるので、パスワードを入力すれば接続できます。

もし、SSHエラーが出るようであれば、SSHキーの削除を試してみてください。
このコマンドでSSHキーの削除できます。

ssh-keygen -R [QNAPのIPアドレス]

SSHに接続完了したら

smb2status

と入力すると、現在のSMBのバージョンと、起動状態を答えてくれます。

ヘルプディスクに相談

ここまでして、解決方法がさっぱりなので、ヘルプディスクに頼ることにしました。

管理コンソールの「App Center」のなかに、「ヘルプディスク」アプリがあるのでアプリを立ち上へる。

「ヘルプ依頼」タブから、QNPA ID(メールアドレスとワスワード)を利用してログインすると、ヘルプフォームが開きます。

あとは、不具合内容を入力して送るだけです。

送ってから1日後、担当してくれるクリスさんから返信がきました。

返信内容は「QNAP NASログの送信」と「リモートサポートの有効化」が可能であれば有効にするようにとのこと

指示通りにQNAP NASログの送信とリモートサポートを有効化にしました。

QNAP NASログの送信、リモートサポート有効化の方法は、送られてくるメールに記載してくれているのでそのとおりに対応すれば良いだけです。

そして、待つこと3日・・・返事こない。 リモートサポートの状態も「待機中」から変化なし。

リセットの決断

NASが使えない状態をはやくなんとかしたいので、対応してもらってるクリスさんには申し訳ないですがヘルプディスクでの復旧を一旦諦めることにしました。

リセットの決断はしたのですが、まぁデータは残せて復旧できれば良いので設定のみのリセットをまずは試してみることにしました。

基本システムのリセット

保存してあるHDDデータはそのまま残し設定のみをデフォルトの状態に戻す基本システムのリセットを試してみた。

手順としては、NASの電源がONの状態で、リセットボタンを3秒間押し続けると「ピッ!」と音がなるので、音がなったらはなす。

参考:QNAP QTS 4.4.xユーザーズマニュアル(システムリセットと工場出荷時設定への復元)

これで、ネットワークの設定や、パスワードなんかがリセットされます。

初期のユーザー名とパスワードは、ファームウェアバージョンによって違いがあります。

QTS4.4.1以前は

ユーザー名:admin パスワード:admin

QTS4.4.2以降は

ユーザー名:admin パスワード:LAN1のコロンなしMACアドレスの大文字 (ab:cd:ef:gh:ij:klだったらABCDEFGHIJKLといった感じ)

QNAPサポート(QTS のデフォルトの管理者のユーザー名とパスワードを教えてください。)

基本システムのリセットの結果は、不具合は解消されませんでした。

高度なシステムリセット

ユーザー、ユーザーグループ、共有フォルダの設定をデフォルトに戻す高度なシステムリセットを試してみた。

基本システムのリセットと同じく、HDDデータは残っている状態です。

手順としては、NASの電源がONの状態で、リセットボタンを10秒間押し続けるとリセット動作になります。

参考:QNAP QTS 4.4.xユーザーズマニュアル(システムリセットと工場出荷時設定への復元)

高度なシステムリセットの結果でも不具合解消されませんでした。

NAS の再初期化

ここまで、何をやってもダメだったので、最終手段のNASの最初期化を試すことにしました。

もちろん、すべてのデータが完全に消去されるのでバックアップがちゃんと取れていることを確認してからためしたよ。

手順は、「コントロールパネル」から「バックアップ/復元」の「工場出荷時設定に復元」タブを選んで、「NASの最初期化」ボタンを押すと確認画面がでるのでそのまま進めるとNASのの最初期化がされます。

NASの最初期化画像

参考:QNAP QTS 4.4.xユーザーズマニュアル(システムリセットと工場出荷時設定への復元)

これで、ダメなら本体が故障してるかと思うので「更新するしかないかな~」と思いいながら試しました。

NASの最初期化の結果は、不具合解消されて共有も出来るようになった。

(結局、データは全部消えたけどねw)

バックアップの復旧

ここからは、全て初期状態になっているので、もとの設定に戻していく作業になります。

まずは、ユーザー、ユーザーグループ、共有フォルダの設定を一通り設定して バックアップをとったときと同じく「HBS 3 HybridBackup Sync」の同期タスクを作成してNASにデータを移す手順でデータをもどしました。

これで、とりあえず復旧は完了。

一応、ヘルプディスク担当のクリスさんに 「初期化で復旧したので、サポートありがとう」 と連絡して作業終了です。

最後に

原因ははっきりしないけど、おそらくはファームウェアの更新のときにコンフィグが書き換わってファイル共有サービスのsambaが停止してしまったと思われます。

コンフィグを直接いじればなおったかもしれませんが、下手すると全く起動出来なくなる可能性もあったので初期化することにしました。(時間もかかりそうだったので)

しかし、ファームウェアの更新は、やっぱりリスクがあるなと反省しました。

今回は、データは残っていてコンソールからはアクセスできる状態だったのでたすかったけど、まったくアクセス出来なかったらと思うと、まだ良かったのかと思います。

QNAPはNAS以外にもサーバー用途なんかで色々使えて個人的には気に入ってるんですけど、サポートは海外なのでレスポンスは良いとはいえないですけどね。 (今回は自業自得だったので文句はいえませんが)

それでも、日本語対応もされてるしマニュアルもあるので良い方なのかなと。

結果的には、最終手段の「NASの再初期化」で復旧したのですが、同じような不具合に見舞われた人の参考になれば幸いです。

(再初期化以外の復旧方法を知っていたら是非、教えて下さい)

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